ワイヤー矯正の値段はいくら？種類ごとに詳しく解説！

こんにちは。札幌市北区の歯科・小児歯科・歯科口腔外科・矯正歯科「太平歯科医院」です。

ワイヤー矯正の検討中に「歯の矯正はいくらかかる？」「ワイヤー矯正にかかる費用の内訳は？」など、値段について考えることもあるでしょう。理想の歯並びや噛み合わせを手にいれるためにも、途中で治療を諦めないためにも、あらかじめ値段を把握しておくことが大切です。

今回は、ワイヤー矯正の種類や値段の相場について具体的に解説します。ワイヤー矯正を検討中の方は、ぜひ最後までお読みください。

ワイヤー矯正とは

ワイヤー矯正とは、マルチブラケットという装置を歯に装着し、マルチブラケットにワイヤーを通して歯を動かすタイプの矯正です。マルチブラケット矯正とも呼ばれ、従来から使用されている歴史ある治療方法です。

ワイヤー矯正で歯が動く仕組み

ワイヤーで歯に力が加わると、移動する方向にある歯槽骨を吸収しながら歯が動きます。反対側の歯と歯槽骨の間にすき間ができますが、やがて骨が再生されます。このように、ワイヤーを使って歯に力を加えることで、歯槽骨の吸収と再生を繰り返しながら、動かしたい方法に歯を動かすのです。

ワイヤー矯正のメリット・デメリット

ワイヤー矯正には、メリットとデメリットがあります。

メリットは、次のとおりです。

・多くの症例に対応している

・マウスピースでは治せない難しい症例でも治療できる

デメリットは、次のとおりです。

・目立つ

・取り外しができない

・食事と歯磨きがしにくい

・痛みを感じやすい

目立つことに加え、食事や歯磨きがしづらく、痛みも感じやすいことが欠点です。そのため、最近は目立たずに治療できるマウスピース矯正を検討する方も増えてきています。

しかし、ワイヤー矯正は、さまざまな難しい症例にも対応しています。マウスピース矯正では治療できない症例にも対応しているため、ワイヤー矯正のほうが向いている方も少なくありません。

ワイヤー矯正の種類

ワイヤー矯正は、下記のように全体矯正と部分矯正があります。

＜ワイヤー矯正の種類＞

全体矯正は、部分矯正に比べて値段が高くなります。歯科医師は、口の中の状況を考慮しつつ、患者の希望に沿ってどの矯正方法を採用するか決定することになるでしょう。装置の装着方法は、大きく分けて以下の3つあります。

表側矯正

表側矯正とは、マルチブラケット装置とワイヤーを表側（見える方向）に装着し、矯正する方法です。表側矯正の特徴を下記にまとめました。

・ワイヤー矯正の中で最も安く治療期間も短い

・一般的なワイヤー矯正方法である

・目立ちやすいという欠点がある

表側矯正は、ワイヤー矯正の中でも一般的な方法で、値段も安く治療期間も短いメリットがあります。

しかし、目立つため「矯正をしていることを知られたくないから表側矯正は避けたい」という方も珍しくありません。

裏側矯正

裏側矯正は、マルチブラケット装置を歯の裏側（舌がある方向）に装着し、矯正する方法です。裏側矯正には、次の特徴があります。

・目立ちにくい

・値段が高く治療期間も長い

・特殊な技術が必要である

裏側矯正は目立ちにくいため人気があります。

しかし、ワイヤー矯正の中でも値段が高く、矯正期間が長いというデメリットがあります。また、特殊な技術が必要なので、矯正の治療経験が豊富でスキルのある歯科医師に治療をしてもらわなければなりません。

ハーフリンガル矯正

ハーフリンガル矯正は、表側矯正と裏側矯正を合わせた矯正方法です。上の歯は裏側に、下の歯には表側に、それぞれマルチブラケット装置を装着します。ハーフリンガル矯正の特徴は、下記のとおりです。

・上の歯は裏側に装置が付いているため目立ちにくい

・上下裏側矯正をするのに比べて値段が安い

ハーフリンガル矯正は、上の歯の裏側に装置がついていることで、表側矯正に比べると目立ちません。また、表側矯正と裏側矯正の中間の値段なので、裏側矯正は高すぎると感じる方にも向いています。

ワイヤー矯正の値段の相場

矯正は保険適用外のため、歯科医院によって値段設定が異なります。また、ワイヤー矯正にかかる値段は、歯並び具合や矯正の種類、全体矯正をするか、部分矯正をするかによっても変わります。

値段は、一般的に100万〜200万円を見ていたほうがよいでしょう。矯正歯科を選ぶ際は、値段設定が明確に提示されている歯科医院を選んでください。

矯正の治療前・治療中・治療後にかかる費用の相場

矯正治療そのものにかかる値段とは別に、費用が発生します。矯正の治療前後や治療中、治療後にかかる費用の詳細は、下記のとおりです。

＜矯正の治療前・治療中・治療後にかかる費用＞

歯科医院によってはトータルフィー制度を採用し、治療中の調整料金や治療後のリテーナー装置代をすべて含めた金額を提示しているところもあります。

一方で、矯正治療とは別で、治療中の調整料金やリテーナー装置代を払う必要がある歯科医院も少なくありません。

値段については、事前に確認することでのちのトラブルを避けられるでしょう。

表側矯正の相場

表側矯正の相場は、下記のとおりです。

・全体矯正：60万〜130万円

・部分矯正：30万〜60万円

表側矯正のなかでも、使用するマルチブラケット装置やワイヤーの種類によって値段が異なります。

例えば、できるだけ目立たなくするために透明なタイプやセラミックタイプのマルチブラケット装置を使用するのであれば値段が高くなります。また、ホワイトワイヤーという、白いワイヤーを使用する方法がありますが、一般的に値段は10万円をプラスされる場合が少なくありません。

予算を考慮しつつ、医師と相談してどの材料を使用するか決定してください。

裏側矯正の相場

裏側矯正の相場は、次のとおりです。

・全体矯正：100万〜170万円

・部分矯正：40万〜70万円

裏側矯正は、特殊な技術が必要なため、表側矯正に比べると値段が高い傾向にあります。また、治療期間も長いため、調整料金を別途で払う必要がある歯科医院では、余計に払わなければならないことも覚えておきましょう。

ハーフリンガル矯正の相場

ハーフリンガル矯正の相場を、下記にまとめました。

・全体矯正：80万〜150万円

・部分矯正：35万〜65万円

多くの場合、ハーフリンガル矯正は表側矯正と裏側矯正の中間の値段設定といえるでしょう。

ワイヤー矯正は保険が適用される？

ワイヤー矯正の多くは、保険適用外です。

しかし、日本矯正歯科学会によると、例外として下記のケースでは保険が認められます。

・「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療

・前歯及び小臼歯の永久歯のうち3本以上の萌出不全に起因した咬合異常（埋伏歯開窓術を必要とするものに限る。）に対する矯正歯科治療

・顎変形症（顎離断等の手術を必要とするものに限る）の手術前・後の矯正歯科治療

参照元：日本矯正歯科学会

日本矯正歯科学会で認められたケース以外の矯正治療は、自費で行います。自分が保険適用になるケースなのかについては、歯科医師に確認するとよいでしょう。

ワイヤー矯正は医療費控除の対象になる？

医療費控除とは、1年間にかかった治療費が一定額を超えた場合、所得控除を受けられる制度です。支払った金額をもとに計算し、控除を受けられる額が決まります。

ワイヤー矯正では、矯正が治療とみなされる場合に控除の対象となります。例えば、下記のケースです。

・こどもの矯正：成長に必要な治療行為とみなされる場合

・機能回復のために行う大人の矯正：噛み合わせや発音、顎関節症などの問題で矯正治療を行う場合

こどもの矯正は、一般的に成長に必要な治療行為とされるため控除を受けられます。

しかし、大人の矯正の場合に控除の対象となるのは、機能回復のために行う矯正のみです。審美性の矯正では控除を受けられないことを覚えておきましょう。

参照元：国税庁 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例

治療費に含まれるものとは？

矯正治療が医療費控除の対象になる場合、次のものが治療費に含まれます。

・歯科矯正治療費（検査費用、診察料金、装置代、調整料金、医薬品などを含む）

・公共機関を利用した場合は通院にかかった交通費

・デンタルローンやクレジットカードで分割払いした歯科矯正治療費

一方で、下記のものは医療費控除の対象になりません。

・ローンや分割払いの手数料と金利

・車で通院した場合のガソリン代と駐車料金

・健康増進や予防のために使用された医薬品の費用

円滑に申告ができるように、領収書をしっかりとキープしておきましょう。

矯正のお金がないときにできる選択肢

矯正治療には、高額の値段がかかります。「そんなお金は一度に払えない」と、感じる方もいらっしゃることでしょう。矯正のお金がないときには、下記の選択肢があります。

・クレジットカードの分割払いを利用する

・デンタルローンを組む

いずれも、一度に支払う金額の負担を軽くするもので、支払う金額が減るわけではありません。また、クレジットカードの分割払いやデンタルローンには、手数料や金利がつくことも考慮する必要があります。

 まとめ

ワイヤー矯正は、ほとんどの症例に適応し、噛み合わせや歯並びの治療ができる方法です。多くの場合、保険適用されないので自費で払わなければなりません。

治療費を抑えるためには、まずは医療費控除の対象になるかどうかについて検討する必要があります。また「思った以上に値段が高かった」「矯正費用以外にも精密検査代やリテーナー代がかかった」など、トラブルにならないためにも、矯正治療前に必要な値段を確認しておくことが重要です。治療方針とともに値段についても納得したうえで、治療をスタートしましょう。

ワイヤー矯正を検討されている方は、札幌市北区の歯科・小児歯科・歯科口腔外科・矯正歯科「太平歯科医院」にお気軽にご相談ください。