部分矯正とは？ワイヤー矯正・マウスピースの特徴と適応症例を解説！

こんにちは。札幌市北区の歯科・小児歯科・歯科口腔外科・矯正歯科「太平歯科医院」です。

すきっ歯やガタガタした歯並びなど、気になる部分だけを治したい場合は、部分矯正を検討するとよいでしょう。部分矯正は全体矯正よりも治療範囲が限られているため、治療期間や費用が抑えられます。見た目が改善されることで、コンプレックスの解消につながるでしょう。

しかし、部分矯正では治療できない歯並びや、歯を削る処置が必要になる歯並びもあります。部分矯正を検討する際は、適応症例やデメリットも理解しましょう。

今回は、部分矯正の種類や適応症例、メリット・デメリットなどを解説します。矯正治療にかかる期間や費用もご紹介しますので、部分矯正を検討している方はぜひ参考にしてください。

部分矯正とは

一般的な矯正治療（全体矯正）では、全体的な歯並びや噛み合わせを整えます。部分矯正は、気になる部分だけの歯並びを整える治療法です。部分矯正は前歯に行うことが多いですが、被せ物の治療のために奥歯に行うこともあります。

部分矯正は、全体矯正よりも移動させる歯の本数や治療範囲が限られているため、費用や期間が抑えられることがメリットです。全体矯正と違って全体的な噛み合わせは整えられないので注意が必要です。

部分矯正は、気になる一部分の見た目を治したい方や矯正治療にかかる期間や費用を抑えたい方に適しています。

部分矯正が適応できるかどうかは、歯科医師が判断します。もともとの歯並びやお口の状態によっては部分矯正が適応できないことがあるので、部分矯正を検討している方は一度歯科を受診しましょう。

部分矯正のメリット・デメリット

部分矯正のメリット・デメリットをご紹介します。

メリット

部分矯正のメリットは、以下のとおりです。

コンプレックスを解消できる

前歯にすき間があいている歯並びや部分的にガタガタした歯並びの場合、部分矯正で歯並びを整えることでコンプレックスが解消できるでしょう。

前歯の歯並びにコンプレックスを感じている場合、話す際や笑う際に「人に見られたくない」と口元を手で隠す方も少なくありません。部分矯正で見た目を整えることでコンプレックスを解消でき、日常のストレスからも解放されるでしょう。

治療期間が短い

全体矯正では歯並び全体の見た目や噛み合わせを整えるため、平均して1～3年の治療期間がかかります。部分矯正は治療範囲が限られているため、全体矯正よりも治療期間が短いことがメリットです。

もともとの歯並びにもよりますが、歯並びの乱れが軽度の場合は2～3か月で治療が終わることもあるでしょう。

費用を抑えられる

部分矯正は歯を動かす本数や治療範囲が限られています。そのため、治療期間と同様に費用も抑えられます。

デメリット

部分矯正のデメリットは、以下のとおりです。

治療できない歯並びがある

部分矯正は、歯並びの乱れが軽度な場合に適応します。歯並びの乱れが重度の場合や抜歯が必要な場合、全体的に噛み合わせを整えなければならない場合などは、部分矯正では治療できないことがあります。

部分矯正で治療できるかどうかを自分で判断することはできません。部分矯正を受けられるかどうか知りたい方は、一度歯科医院を受診して相談するとよいでしょう。

噛み合わせは整えられない

部分矯正は治療範囲が限られているため、全体的な噛み合わせは整えられません。部分矯正は、歯並びや噛み合わせを整える治療というより、気になる部分の見た目だけを改善する治療といえるでしょう。

全体的な噛み合わせに問題がなく、気になる部分の歯並びだけを整えたい方に適しています。

歯を削ることがある

全体矯正で出っ歯や叢生（ガタガタした歯並び）を治療する場合、歯を並べるスペースが足りないため、抜歯して治療を行う場合があります。

部分矯正は一般的には抜歯は行わないので、歯を並べるスペースを確保するために歯を削ることがあります。やすりで歯の表面を削る程度ですが、健康な歯を削ることに抵抗がある方もいるでしょう。

歯を削る必要があるかどうかは、もともとの歯並びによって異なります。できるだけ歯を削りたくない方は、治療前に歯科医師に相談してください。

部分矯正の種類

部分矯正には、大きく分けてワイヤー矯正とマウスピース矯正の2種類の方法があります。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正とは、歯の表面にブラケットとよばれる装置を接着し、ブラケットにワイヤーを通して歯並びを整える治療法です。

ワイヤー矯正は1か月に1回程度の頻度で通院し、歯科医師がお口の状態を確認しながら装置を調整して治療を進めます。マウスピース矯正よりも歯にかかる力が強いため、効率的に治療を進められることがメリットです。デメリットは、違和感や痛みが出やすいことです。

ワイヤー矯正は、歯の表側に装置を取り付ける表側矯正、裏側に装置を取り付ける裏側矯正の2つに分かれます。

表側矯正は、歯の表面に矯正装置を取り付けるため歯の1本1本に力がかかりやすいです。歯並びの乱れが軽度の場合、治療期間が短くなる傾向にあります。矯正装置が目立ちやすいことがデメリットといえるでしょう。

歯の裏側に装置を取り付ける裏側矯正は、大きな口を開けても矯正装置が目立ちません。見た目が気になる場合には、裏側矯正を選ぶとよいでしょう。矯正装置を歯の裏側に取り付けるには高度な技術が必要なため、裏側矯正を実施していない歯科医院もあります。また、表側矯正よりも費用がかかる場合が多いです。

マウスピース矯正

マウスピース矯正とは、1日20～22時間以上マウスピースを装着し、1～2週間ごとに新しいマウスピースに交換して歯並びを整える治療法です。ワイヤー矯正と違い、患者様自身でマウスピースを装着し、適切な時期に交換して治療を進めます。

マウスピース矯正はマウスピースを何枚も交換して徐々に歯を動かすため、痛みが出にくいことがメリットです。また、マウスピース矯正で使用するマウスピースは薄くて透明なため、矯正治療中でも目立つことはありません。

マウスピース矯正は、違和感や痛みが苦手な方や矯正治療中の見た目が気になる方に適しています。

部分矯正の適応症例

部分矯正の適応症例は、以下のとおりです。

・すきっ歯

・軽度の叢生

・軽度の出っ歯

・正中（前歯の真ん中）のズレ

・矯正後の後戻り

部分矯正は、歯並びの乱れが軽度な場合に適した治療です。前歯にすき間があるすきっ歯や軽度の叢生、軽度の出っ歯、正中のズレなどの治療に向いています。矯正治療後に後戻りにした歯並びにも対応できます。

しかし、八重歯が大きく出ているなど、歯並びの乱れが大きい場合や重度の出っ歯などには適応できません。抜歯が必要なケースや歯を並べるスペースが足りないケースは、部分矯正ではなく全体矯正で治療したほうがよいでしょう。部分矯正をすることで、噛み合わせが悪くなる場合や治療できない可能性があります。

ご自身の歯並びが部分矯正に適しているかどうかは、歯科医師に判断してもらう必要があります。

部分矯正の治療期間はどれくらい？

部分矯正にかかる期間は、矯正の種類によって異なります。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正で行う部分矯正にかかる期間の目安は、以下のとおりです。

・表側矯正：2か月～1年程度

・裏側矯正：6か月～1年程度

表側矯正は、歯の表面に矯正装置を取り付けるため、効率的に治療を進められることが特徴です。歯並びの乱れが軽度の場合、早ければ2か月ほどで治療が終わることもあるでしょう。

表側矯正と比べると、裏側矯正のほうが治療期間が長いことがわかります。歯の裏側ではブラケット同士の距離が短くなるので、表側矯正よりも調整が難しいです。うまく調整できないと矯正治療が進まないため、治療期間が長くかかる傾向にあります。

しかし、ブラケット同士の距離が短くなることで歯にかかる力が強くなるため、裏側矯正は歯を後方に引っ込める動きが得意です。出っ歯や受け口などを効率的に進められることは、裏側矯正のメリットといえるでしょう。

マウスピース矯正

マウスピース矯正の部分矯正にかかる期間の目安は、2か月～1年程度です。マウスピース矯正は、歯並びの乱れが軽度な場合に適した治療であるため、2か月程度で治療が終わる症例もあるでしょう。

ただし、マウスピース矯正が成功するかどうかは、患者様ご自身でマウスピースを管理できるかに左右されます。マウスピースを取り外せるので食事や歯磨きの際のストレスはありませんが、取り外している時間が長いと治療が進みません。

部分矯正の費用

部分矯正にかかる費用の目安を、矯正の種類ごとに解説します。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正の部分矯正にかかる費用の目安は、以下のとおりです。

・表側矯正：300,000～600,000円

・裏側矯正：400,000～700,000円

治療期間と同じく、表側矯正のほうが費用を抑えられる傾向にあります。表側矯正は、見えやすい歯の表面に矯正装置を取り付けるため、既成の矯正装置で治療できます。

しかし、歯の裏側はガタガタしているため、歯型を採って患者様のお口に合わせた矯正装置を作る必要があるでしょう。歯への力のかかり方も異なるため、表側矯正よりも高度な技術が必要です。

患者様に合わせた矯正装置を作らなければならないことや歯科医師の高い技術力が必要なことから、裏側矯正は表側矯正よりも費用がかかる傾向にあります。

マウスピース矯正

マウスピース矯正の部分矯正にかかる費用の目安は、100,000～600,000円です。

マウスピース矯正は、マウスピースが何枚必要になるかで費用が変動します。すきっ歯や矯正治療後の後戻りなど、歯の乱れが軽度な場合は比較的費用を抑えられるでしょう。

実際にかかる費用は患者様の歯並びや口腔内の状態によって変わるので、詳しく知りたい方は一度歯科医院を受診してください。

まとめ

部分矯正とは、すきっ歯やガタガタした歯並びなど、気になる部分の歯並びを整える治療法です。部分矯正は、気になる1本の歯から治療できるため、全体矯正よりも費用や期間が抑えられます。見た目が改善されることで、コンプレックスの解消にもつながるでしょう。

しかし、全体矯正と違って噛み合わせを改善することはできません。適応症例に限りがあることや歯を削る処置が必要な場合があることに注意が必要です。

部分矯正には、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の2種類の方法があります。どちらの方法を選んでも、最終的な仕上がりに違いはありません。部分矯正を検討するときは、メリットだけでなくデメリットも理解し、治療にかかる期間や費用を比較して検討しましょう。

部分矯正を検討されている方は、札幌市北区の歯科・小児歯科・歯科口腔外科・矯正歯科「太平歯科医院」にお気軽にご相談ください。