ワイヤー矯正で美しい笑顔へ!出っ歯の治療方法と注意点!
ブログこんにちは。札幌市北区の歯科・小児歯科・歯科口腔外科・矯正歯科「太平歯科医院」です。
出っ歯をコンプレックスに感じる方は非常に多いです。マスク生活も終わりを迎えているため、美しい口元になりたいと考える方も多いでしょう。
出っ歯を根本的に解消したいと考えた場合、どうすればよいのでしょうか。出っ歯の治療で最も多く選択されているのは、ワイヤー矯正です。
今回は、出っ歯の概要や原因、ワイヤー治療で治療する方法、期間、注意点などを詳しく解説します。
出っ歯とは?
出っ歯(上顎前突)とは、前歯が出ている、または出ているように見える状態のことです。欧米人は歯列のアーチが横に広いですが、日本人はアーチが縦長の場合が多いため、出っ歯になりやすいといわれています。
出っ歯は、大きく2種類にわけられます。
骨格性上顎前突
骨格性上顎前突は、骨格に問題がある出っ歯です。上顎の骨が過剰に成長している場合や、下顎の成長が不十分な場合が該当します。「歯並びに問題はなさそうなのに、出っ歯に見える」という場合、骨格性上顎前突にあたる可能性が高いです。
骨格に問題がある出っ歯の場合、小児と成人で治療方法が異なります。
小児であれば、専用のヘッドギアで顎の成長をコントロールし、奥歯の位置を調整するなど、外科手術を行わずに治療できることがあります。成人であれば、顎の骨を切るなどの外科手術が必要になることがあるでしょう。
骨格だけでなく、前歯自体も傾いている場合が多く、後述する歯槽性上顎前突と併発している方もいます。ワイヤー矯正を行うことで、改善できる可能性があるでしょう。
歯槽性上顎前突
歯槽性上顎前突は、歯並びに問題がある出っ歯です。骨格の問題ではなく、前歯の傾斜によって前歯が突出しているタイプです。
骨格性の出っ歯よりも簡単に矯正できるケースが多いため、ワイヤー矯正の対象となります。
出っ歯になる原因
出っ歯になる原因は、以下のとおりです。
遺伝
遺伝により、骨格や歯並びなどの問題が発生し、出っ歯になることがあります。出っ歯自体が遺伝するというよりは、出っ歯になりやすい骨格が遺伝すると考えたほうがよいでしょう。
例えば、両親や親戚など血縁関係がある方のなかに、上顎の骨が過剰に大きくなっている方や、顎の骨が小さく歯を並べるスペースが足りない方、上下の顎の骨の位置が不適切である方などがいる場合、出っ歯になる可能性があります。
舌癖
出っ歯に関係する舌癖としては、舌突出癖が挙げられるでしょう。舌を前に突き出す癖のことですが、舌が内側から前歯を押すので出っ歯の原因になります。
口呼吸
人は本来鼻で呼吸しますが、何らかの理由で口呼吸をする癖がつくことがあります。舌先は上顎の前歯の裏側の歯肉に触れているのが正常な位置ですが、口呼吸をすると下顎の前歯の裏側に位置するでしょう。
口周りの筋肉のバランスが崩れるので、歯並びが乱れ出っ歯になる可能性があります。
咬唇癖
咬唇癖(こうしんへき)とは、唇を噛む癖のことです。出っ歯に関係するのは、下唇を噛む癖でしょう。
下唇を噛むと、下顎の前歯が後ろに倒れる可能性があります。相対的に上顎の前歯が突出して見えるので、出っ歯になるのです。
指しゃぶり
指しゃぶりを長期間続けると、上顎の前歯が外側に向かって傾きます。下顎の前歯は内側に向かって傾くので、出っ歯になるでしょう。
出っ歯を治療しないことによる悪影響
出っ歯は見た目のみならず、心身にも影響を及ぼすことがあります。どのような影響があるのか確認しましょう。
出っ歯をコンプレックスに感じる
出っ歯は見た目に大きな影響を与えます。特に、口元の印象は第一印象を大きく左右します。
コンプレックスを持つことで精神的なストレスを感じ、対人関係や積極性に影響が出る可能性があるでしょう。
うまく発音できない
出っ歯の状態では、舌足らずな発音になりやすいです。特に、舌を上の前歯の裏につけて発音するサ行やタ行を発音しにくいと感じる方が多いです。
前歯をぶつけやすい
出っ歯は前歯が突出している状態なので、整った歯並びよりも前歯をぶつける可能性が高いでしょう。スポーツの際にボールが口元に当たり、強い衝撃を受けることもあります。
前歯をぶつけて変色するケースもあるのです。
顎関節症になりやすい
出っ歯の状態では、上下の歯がうまく噛み合いません。顎の筋肉や関節に負担がかかるので、顎関節症のリスクが増加します。
噛みにくい
上顎と下顎の前歯の先が触れ合いにくいため、前歯を使って食べ物を噛み切ることが難しくなります。
前歯を使って食べ物を小さくすることが難しいので、十分に咀嚼できていない状態で飲み込むこともあるでしょう。胃腸にかかる負担が大きくなります。
虫歯や歯周病のリスクが上がる
上唇と下唇が閉じにくくなると、お口が開いた状態が続きます。口内を潤す唾液が蒸発し、乾燥しやすくなるでしょう。
口内が乾燥すると、虫歯や歯周病の原因菌の活動を抑えにくくなります。唾液には、お口を潤す以外に、汚れを洗い流す自浄作用、酸性に傾いた口内を中性に戻して虫歯になりにくくする緩衝作用、歯の再石灰化を促す作用、お口の中の細菌の活動を抑える抗菌作用などがあります。
唾液の作用を十分に受けられないと、虫歯や歯周病のリスクが上がるのです。
ワイヤー矯正を選択するメリット・デメリット
ワイヤー矯正を選択するメリットとデメリットを確認しましょう。
メリットは、以下のとおりです。
・ほかの矯正方法よりも早く確実に歯を動かせる
・適応となる症例が幅広い
・メジャーな治療法のため対応できる医院が多い
デメリットは、以下のとおりです。
・ほかの矯正方法と比べると痛みが強い
・噛み合わせが変わるため噛みにくくなる期間がある
・調整のために1か月に一度通院する必要がある
・歯の表側につけるので目立ちやすい
なお、対応できる歯科医院は限られますが、歯の裏側に矯正装置を装着する方法もあります。矯正装置は目立ちにくいですが、舌に触れるため発音に影響が出やすい、高度な技術が必要になるので治療費が高いなどのデメリットがあります。
ワイヤー矯正で出っ歯を治療する方法
金属製のブラケットを歯に固定してワイヤーを通し、ワイヤーの張力で移動させるのが、ワイヤー矯正です。強い矯正力をかけることができるので、重度の歯並びの乱れにも対応できます。
ワイヤー矯正には、歯の表側に装置を装着する表側矯正と、歯の裏側に装置を装着する裏側矯正があります。どちらの矯正方法でも、全体矯正、部分矯正が可能です。
ワイヤー矯正で出っ歯を治療するときの流れは、以下のとおりです。
カウンセリング
歯科医師が患者さまの歯の状態を評価し、出っ歯の程度を確認します。レントゲンや顔の写真を撮ることもあるでしょう。
虫歯が見つかった場合、虫歯の治療を完了させてから矯正治療に進むのが一般的です。
治療計画の立案
患者さまの希望や悩みを伺いながら、治療計画を立てます。治療期間や費用などについても説明があるでしょう。
治療計画に納得できたら、矯正治療を開始します。
矯正装置の装着
ブラケットを歯に装着します。金属のブラケットを使用するのが一般的です。
プラスチックやセラミックなど、目立ちにくいブラケットを取り扱っている歯科医院もあります。
装着したブラケットにワイヤーを通して、歯を移動させます。
定期検診
ワイヤー矯正の治療中は、定期的に通院してワイヤーを調整してもらわなければいけません。ワイヤーによる矯正力の強さや方向を調整しながら、歯を正しい位置に移動させます。
また、矯正治療中はご自身で行う口腔ケアが非常に重要です。定期検診の際はブラッシング指導なども受けられるので、積極的に口腔ケアの知識を身につけましょう。
保定期間
出っ歯の矯正が完了しても、矯正後しばらくの間は歯がもとの位置に戻りやすい状態です。リテーナーと呼ばれる保定装置を歯に装着して生活しましょう。
保定期間の長さは患者さまによって異なりますが、歯を移動させるのにかかった期間と同程度とする歯科医院が多いです。
ワイヤー矯正で出っ歯を治療するためにかかる期間
ワイヤー矯正で出っ歯を治療する際の期間は、以下のとおりです。
・全体矯正:1〜3年
・部分矯正:3か月〜1年
ただし、治療期間は症例によって異なります。歯の動きやすさには個人差があるので、患者さまによっても変動するでしょう。
ワイヤー矯正で出っ歯を治療する際の注意点
ワイヤー矯正で出っ歯を治療する際の注意点は、以下のとおりです。
信頼できる歯科医院を選ぶ
矯正治療を受ける場合、2〜3年におよぶ長い期間通院しなければなりません。そのため、信頼できる歯科医院であることは重要です。痛みが強いときや、治療に対する疑問があるときなど、コミュニケーショが取りやすいことも重要でしょう。
カウンセリングの際は、信頼できる歯科医院かどうか、話しやすい歯科医師かどうかなどを確認してください。
装置の破損や変形を避ける
ワイヤー矯正の装置は、患者さまが取り外すことはできません。食事や歯磨き、スポーツなども、矯正器具を装着したまま行います。
強い衝撃を受けると装置が破損・変形する可能性があるでしょう。粘着性の高いものや硬いものなどを食べると、装置が外れる可能性があります。
装置が破損・変形しないよう、注意して過ごしましょう。
口腔ケアを徹底する
装置をつけていると磨き残しが多くなり、虫歯になる確率が上がります。矯正治療中に虫歯になると、矯正治療を中断して虫歯治療を行うのが一般的です。
矯正期間が延びるので、費用の負担が増加するでしょう。虫歯ができないように、日頃の口腔ケアを徹底することが重要です。
矯正治療後はリテーナー(保定装置)を装着する
矯正治療後は歯並びが安定していないので、リテーナーを装着して歯の位置を固定する必要があります。
リテーナーにはいくつか種類があり、取り外せるものと取り外せないものが存在します。外せるリテーナーを使用する場合は、指示された時間・期間を守って装着してください。
ワイヤー矯正で出っ歯を治療するためにかかる費用
ワイヤー矯正で出っ歯を治療するためにかかる費用は、以下のとおりです。
<ワイヤー矯正で出っ歯を治療する際の費用>
方法 | 表側矯正 | 裏側矯正 | ||
範囲 | 全体矯正 | 部分矯正 | 全体矯正 | 部分矯正 |
費用 | 600,000〜1,300,000円 | 300,000〜600,000円 | 1,000,000〜1,700,000円
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400,000〜700,000円
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ただし、基本的に矯正治療には保険が適用されないため、歯科医院ごとに費用が異なります。ご紹介した費用は目安として参考にしてください。
実際にかかる費用は、歯科医院を受診して相談しましょう。
まとめ
今回は、ワイヤー治療での出っ歯の治療について詳しく解説しました。矯正治療には時間がかかり、痛みを伴うのも事実です。
しかし、ワイヤー矯正では確実に出っ歯を改善することが可能です。まずは通える矯正歯科をリストアップし、カウンセリングを受けてみましょう。
納得したうえで治療に取り組めば、美しい笑顔を手に入れられます。
出っ歯の治療でワイヤー矯正を検討されている方は、札幌市北区の歯科・小児歯科・歯科口腔外科・矯正歯科「太平歯科医院」にお気軽にご相談ください。